地震があった後に気を付けてほしいこと ~石の構造物~

徒然日記 石仕事

大きな地震が発生したので気を付けてほしいことがあります。これは豪雪の被害に合った時にもあてはまります。あくまでも注意喚起であり不安をあおる為のものではありません。ご理解ください。

この度の能登半島の地震がでは、新潟県内も長い横揺れがあり、神社や個人宅の灯篭が倒壊している様子をSNSで拝見しました。

皆さんがご承知の通り、上に行くにつれて大きなパーツがあるような構造物の場合、安定感がありません。地震の際にはどうしても崩れやすいです。また構造上だけの問題ではなく、お墓を含め設置してから年月が経っているもの、歴史があるものは、当時使用したモルタルが劣化し、すでにその効力を持っていない可能性もあります。

地震で壊れてしまったものは、接着剤を使って直したり、不要であれば撤去することもできますが、怖いのはその揺れなどに持ちこたえた物の中に壊れやすくなっている物があるということ。

石は30cm×30cm×30cmの立方体で約70~75キロもの重量があります(白みかげの場合)。人が多く集まる場所、人通りに面している場所などにそのような危険な構造物がある場合は、二次被害で人的被害を出す恐れもあります。見たからにバランスを崩しているような物の近くには決して近寄らないでください。過去には神社の灯篭の下敷きになり死亡者が出た事故も発生しています。

修繕する場合も、耐震棒を入れて横揺れに強くする、耐震金具を使う、石材用の接着剤を使用する、加工自体を強度のある形にするなど工夫することもできます。鳥居などは耐震鳥居を専門に扱う業者さんもいらっしゃいます。

お墓をはじめとする石の構造物は、建ててしまえばなかなかその後に定期的にメンテナンスをすることは少ないのが現状です。

もし不安な時はまず一度、最寄りの石材店に点検してもらうことをお勧めします。

 

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