お墓の代わりに木や花などが整備されている樹木葬墓地が増えてきました。自然に還るイメージの強い樹木葬ですが、メリット、デメリットをきちんと把握できている人は少ないように思います。
私の知人の話です。親が亡くなり、知人の兄が樹木葬墓地を購入し納骨した方がいます。一年後のお盆に知人がお墓参りに行った際に、樹木の手入れが行き届かず、荒れた花壇、どの辺に納骨されたかもわからないといった状態を目にし、後悔しているとお話しされていました。
お客様の中には、子供たちに将来的にお墓の管理の負担をかけたくないと思い、ご夫婦で樹木葬の見学会に行かれた方がいらっしゃいます。実際に見たらお骨を入れる場所が狭く、亡くなった後にこんなに狭い場所に押し込まれるのは嫌だと感じ、その後子供と相談しお墓を建てる事にした方もいます。
イメージが先行しがちな樹木葬。下記にメリット、デメリットをまとめてみました。
メリット
- 自然に還るイメージがある
- 後継者の必要がない
- お墓の購入の必要がない
- 経営者、管理者がきちんとしているならば、いつでもきれいな状態のお墓でお参りできる
デメリット
- 管理が悪ければ樹木が荒れ果てたり、枯れたりする可能性がある
- 樹木を手入れしないとどこに埋葬されたのかすらわからなくなる場合もある
- 形状によっては遺骨を粉骨にする必要がある場合もある
- 家族で同じお墓に入れない事が多い(一代限りのお墓として使用されることが多い)
- 管理費がかかることがある
一番大切なことは管理がしっかり行き届いているかどうかだと思います。樹木は生き物です。気象条件などによって枯れてしまう場合もあります。石材などの構造物も、維持するためにはメンテナンスや補修は不可欠です。誰が責任をもって管理するのかといったところまでしっかり把握しましょう。
樹木葬を検討する際はしっかり事前に調べ、ご家族で相談する機会を持つことをお勧めします。