お墓基礎知識お役立ちコラム

海洋散骨について

みなさんは『海洋散骨』についてどのようなイメージを持たれていますか? 自然に還るイメージ、キレイなイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか。

昔にくらべて、供養の形が多様化してきた昨今、海洋散骨は若年層や女性を中心に希望者が多いそうです。それにともない、テレビなどで特集を組まれることも増えてきました。

しかしながら、実際に海洋散骨をされた人のうち、後悔されている方も多いのが現状です。背景には海洋散骨の実態をきちんと把握できていないことがあげられます。

【 後悔した主な理由 】

● 海洋散骨はお墓を粉骨(砕いて粉状)にする必要がある

遺骨をそのままの姿で散布するのは法律違反になります。遺骨を2~3ミリ   の大きさに砕き、遺灰の状態にして散骨するのがマナーとされています。ご家族の中には、遺骨を砕くという行為に違和感を感じたという方がいらっしゃいます。 

●故人の意向で散骨を選ぶことが多いが、二度と遺骨を取り戻せない

散骨を選ぶ人の多くは、故人の意向で選ぶ方が多いようです。しかしながら、残されたご家族はどこでお参りをしたらいいかわからず後悔する場合が多いようです。お墓参りはただ単に供養のためだけのものではありません。ご先祖様、亡きご家族に報告をしたり、感謝を伝えたりする再会の場所でもあるのです。 

その他の注意点

  • 漁業権のある海、港、マリーナ、浜辺などでの散骨はNG!
  • 行政によっては条例で海洋散骨を禁止しているところもある
  • 船代、粉骨費用などかかるのでしっかり見積もりをとる

散骨については法律で明確な規定がされていないのが現状です。だからこそまわりの環境や感情に十分配慮し、マナーを守ることが大切です。

私共のお客様で、娘さんを早くに亡くし、故人の意向で海洋散骨を選択された方のお話を聞く機会がありました。やはり後々に手を合わせる場所がないので後悔しているとおっしゃっていました。先祖代々のお墓はあっても、そこに娘さんの遺骨はないので娘がそこにいる気がしない、散骨した現地まで行く費用も高額で気軽に行けないともおっしゃっていました。

亡くなった方の意思を尊重する事も大切です。しかし残された遺族がそういった後悔の念を抱きながら生きていくのも酷な事だと思います。人間は年を重ねる中で、そういった生死に関する事、供養の事を考える機会は増えていきます。そういった考える機会に触れるたびに、後悔の念が頭をよぎると思うのです。海洋散骨という手段を選択するということは、残された遺族にそういった気持ちを残してしまうかもしれない選択肢だという事も忘れないで検討してほしいと思います。

海洋散骨をするのであれば、すべての遺骨を散骨するのではなく、分骨をして遺骨の一部をお墓に埋葬する方法もいいかもしれませんね。気持ちよくご家族を送り出すために、しっかり事前に調べ確認し、その後のことについてもご家族でよく話し合いをすることをお勧めします。

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