お役立ちコラム

墓じまいに多いトラブル① 金銭面でのトラブル

田舎にあるお墓を管理できない、お墓の後継者がいないなどの理由から、数年前から墓じまいの仕事を依頼されることが増えました。一方で、最初はあまり耳にしなかった墓じまいに関するトラブルの相談も増えています。お墓じまいは、代々続いてきたお墓を片付ける作業、お墓を持つお施主様の最後の仕事です。だからこそ、不快な思いをせずに最後の作業をし、気持ちよく先祖供養をしてほしいという想いから2回に分けてお伝えさせていただきます。

 

トラブルで多いのが、『金銭面でのトラブル』と『墓じまい後の墓地の返還方法に関するトラブル』この2つが圧倒的に多いように感じます。

 

『金銭面でのトラブル』 これは見積りが安かったので仕事を頼んだのに、工事の後にとんでもなく高額な請求が届いた、というケースです。

あるお寺さんに『檀家さんが墓じまいをして、工事が終わった後にすごく高額な請求がきて困って相談に来た人がいる。請求書をもってお寺に来たけど、見ても作業費一式となっていて明細もわからないし、適正金額かどうかわからないから見てほしい・・・』というご相談を受けました。その工事を見ていたわけではないですし、お墓も見ていないので、私たちには判断できませんが、施工した業者さんに工事内容についての説明を求めてみてはどうかとお伝えしました。

 

墓じまい工事というのは解体作業です。実際に工事をしてみないとわからない事が多々あります。それは『お墓の建立方法には基準がない』からです。石材店ごとにお墓の建立の仕方や使う材料は全く異なります。そして時代や地域によってもお墓の建立方法は異なります。建立方法の違いや使う材料で丈夫な墓になるかならないかも決まります。逆に考えれば簡単に解体できるかできないかも建立方法や材料により違ってくるのです。

実際に工事をしてみると、お墓の作りが簡単であれば工事が予想よりも早く終わる事もありますし、古いお墓でも丈夫に作られているお墓などは思った以上に時間がかかってしまうこともあります。

最初からあまりにも安い墓じまいの見積りはトラブルに発展する可能性も高くなります。もし、墓じまいを検討されていて費用の安さで業者を決めるならば、その金額に追加料金が加算されることがないかどうか確認することをお勧めします。そして墓じまいの工事について、石材店によく説明を受けることをお勧めしています。トラブルに合って、他の石材店やお寺さんに相談しても解決できない問題ですから注意が必要です。

 

ちなみに弊社の墓じまいの見積りは

  • 台座の中身の構造はどうなっているか?
  • 基礎に鉄筋が入っているのか?
  • 基礎が地中に完全にうまっていて基礎コンクリートが確認できない…

こういった問題は、実際に解体してみないとわからない部分なので、見積り段階でわからない部分は、そこに物があるであろうと仮定して作成します。

  • 基礎コンクリートが確認できない ➡ 鉄筋の組んである基礎コンクリートが打設してある
  • 外柵(台座)の中身が何でできているか分からない ➡ 解体に時間を要するコンクリートでできている
  • 基礎に鉄筋が使われているか分からない ➡ 基礎には鉄筋が含まれている

このように、もしかしたらこれくらいかかるかもしれないです、、、という内容でのお見積りを作成しています。

 

実際に工事をしてみて、基礎コンクリートがない、台座の中身が土だったりした場合は、作業費も見積りの日数程かからない事が多いです。その場合は廃材処分費も見積りよりは安くなります。

請求時は実際に墓じまいでかかった作業費や処分した物の種類や重さでのご請求となります。工事の写真も撮るので、お墓じまいに立ち会えないお客様も写真で確認していただいております。

 

弊社のHPの墓じまいについてのコーナーも参考になさってください。

次回は『お墓じまい後の墓地の返還方法に関するトラブル』についてです。

 

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