硬~い花崗岩にも弱みあり

徒然日記

こんにちは。新潟県小千谷市の高見石材です。天気予報を見ているとどうやら来週くらいから梅雨入りしそうですね。

本来であれば、しとしとと雨が降り続く梅雨。この時期に新緑が鮮やかさを増すように、雨に洗われた墓石の姿もまた美しいもの、土砂降りの雨でもなんのそのです。

日本の墓石に使われていることの多い【花崗岩】は鉱物の中でも特に硬い石英を多く含んでいるため、様々な石に比べて風化しにくいと言われています。こんなに硬い石は何にでも強いと思われるかもしれません。

木曽川の名勝、寝覚の床に代表される花崗岩特有の地層の中には、自然の景観にもかかわらず、まるで人工的に作り出されたような切り立った崖と平らな面でできた大きな箱を並べたような不思議な地形があります。

これは木曽川の激流が花崗岩の岩盤を長い年月にわたって浸食しできたものですが、ここから花崗岩には3方向の直行する割れ目ができやすいという特性(=弱点)が見えてきます。私たち石屋は、こうした石の割れやすい方向を【石目】と呼んでいます。かつて人力だけで巨大な石を切り出せたのは、この【石目】を昔の石工達も知っていたから。

大きな石を割るには、まず一直線にいくつか穴をあけ『セリ矢』と呼ばれる金具を差し込みます。矢の頭を叩くうち徐々にヒビが入り、あるとき一気に割れます。機械化が進み、手作業は少なくなりましたが、石の産地などで開かれるイベントなどで実演があると、見事な石の割れぶり(?)に歓声が上がるほどです。逆に、加工・施工の時は角が欠けないようにとても気を使います。

石屋の仕事は豪快さと繊細さの両面が求められるように思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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