秋の入り口に咲く花 ― サルスベリ(百日紅)

徒然日記

こんにちは。新潟県小千谷市の高見石材です。

9月に入り、朝晩の空気が少しずつやわらぎ、季節の変わり目を肌で感じるようになってきました。そんな中、公園や街路樹として目を引くのが、鮮やかな花を咲かせ続ける「サルスベリ」です。
サルスベリは中国原産の落葉中高木で、平安時代に日本へ伝わったとされています。古くから庭木や観賞用として親しまれ、現在では街路樹や公園、学校の敷地など、さまざまな場所で見かけることができます。

漢字では「百日紅(ひゃくじっこう)」と書きます。この名前は、夏から秋にかけて約百日もの間、赤や白、ピンクなどの花を咲かせ続けることに由来しています。枝先にふんわりと咲く花々は、まるで綿菓子のようにやわらかく、遠目にも華やかで目を引きます。長い開花期間を持つことから、夏の花としてだけでなく、初秋の風景にも彩りを添える存在です。

「サルスベリ」という和名には、ちょっとユニークな由来があります。これは、古い樹皮がはがれ落ちた後に現れる、つるつると滑らかな木肌にちなんでいます。“木登り上手なサルでさえすべってしまう”という、どこか愛らしい例えから名づけられました。幹の肌が美しく、光を反射して独特の風合いを見せてくれることから、樹姿そのものにもファンが多い木でもあります。

花の美しさだけでなく、強い日差しや乾燥にも比較的強く、育てやすいことから、都市部でも重宝されています。剪定によってコンパクトにも保てるため、個人の庭木としても人気があります。
夏の終わりから秋の始まりにかけて、ふと見上げた街角でサルスベリの花が咲いているのを見つけたら、ぜひその色や形、そして滑らかな幹にも注目してみてください。百日もの長い時間をかけて咲き続けるその姿に、季節のうつろいの美しさや、静かな力強さを感じることができるかもしれません。

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