12月に入りました。先日初雪が降りましたが、すっかり消えた小千谷店です。ラニーニャ現象の影響で大雪になると予報は出ていますが、昨夜ネットニュースでは偏西風の予想が少し異なってきていて暖かくなる場合もある、、、なんていうのを目にしました。今年の冬はいったいどうなるのでしょうか・・・・
さて今日は【黒みかげ】について少し書こうと思います。
私たちの住む地域だと、十日町市、津南町、長野県北信にいくと黒いお墓が好まれる傾向にあります。黒い石を使ったお墓は、重厚感がありとても立派に見えます。黒でしか表現できないカッコよさ、上品な感じがありますよね。
黒みかげ（本黒）を使ったお墓の写真↓
黒みかげ（本黒）って高いんじゃないの？と思われる方も多いと思います。確かに、一般的には白より価格は高いです。なぜかというと、黒い石は世界的に見ても採掘される量が少ない、そして加工の面でも白みかげよりも研磨に技術と時間を要します。そういった色々な条件が揃うため、白みかげに比べると価格も高くなります。黒みかげの採掘される産地としては、インド・南アフリカ・スウェーデン・中国・日本などあります。今、日本国内で多く流通している物はインド産が多いのではないかと思います。
そんな黒みかげ（本黒）ですが、石選びが少し難しい。黒みかげと言っても石の種類は多くて、その性質もピンからキリまであります。おそらく一般の消費者が良い石と悪い石を見せられても、それを判断する事はとても難しいと私は思います。店に展示してあるお墓は真新しくどの石でも黒々ピカピカだからです。ひとつ確実に言える事は安くて良い黒みかげは存在しないという事。安価な黒みかげはたいてい変化する石です。
どんな変化が生じるかというと・・・・
- 鉄分を多く含むため建立して数カ月で色が変色する石
- 日光に当たって細かい傷（ヒビ）が生じる石
- 色あせしやすい石
- 紫外線に焼けて茶色くなりやすい石 などなど
変化しやすい石だとしても、外国産の白みかげに比べると高めです。
よく墓地で工事をしていると『ほかの店でお墓を建てたんだけれど、うちのお墓を見てほしい』と言われることがあります。『建てた時は黒々していたのに、時間が経ったら茶色っぽくなってしまった。磨き直したら元に戻りますか？』というような事をよく聞かれます。磨き直せば一時的には黒くなるのですが、時間が経てばまた変化します、残念ながら、、とお伝えします。加工で見た目を一時的によくすることは可能です。でも石の性質自体を変える事はできません。
そういったお墓購入後のトラブルに合わないためにも、産地、名前、特徴、経年の変化の具合などを石材店でしっかり聞いて選ぶことをお勧めします。（どの石にも言える事ですが、特に黒は要注意）
お墓は高価なものですし、代々継承されていく大切なもの、とっかえひっかえ変えれるものではありません。弊社ではお客様がご来店くださったときには、その石の良いところだけでなく、時間が経つどういった変化をするかという事もお伝えさせていただいています。お墓は屋外に設置され、風雨にさらされるものなのでどんな石でも少しずつ変化はします。それでも、変化は少ない方がいいと思うので、お客様に提案する時は、実績のあるもの、石の経年劣化具合を自分の目で確認できているものをお勧めするようにしています。
もちろん、そういった石の変化は自然のものなので気にしない、とにかく価格重視で！というお客様もいらっしゃいます。そういったお客様にはそのご要望に合ったご提案をさせていただいております。
価格が高めな黒みかげですが、最近ではモダンな白と黒とのツートーンカラーのお墓が流行っていたりするので（主に洋型など）部分的に黒を使うことで価格を抑える事も可能です。
【 モダンでオシャレなツートーンのお墓の参考写真↓ 】
- 左はインターロック株式会社さんのオリジナルデザイン（当店で販売可能です）
- 真ん中は南印度洋行さんのオリジナルデザイン（当店で販売可能です）
- 右は小千谷店で展示中のお墓
また、インドのグリーン系（黒の中に緑の粒子が入っている）の石を使う事で価格を抑える事も可能です。グリーン系もピンキリですが、程度の良い石を使っても本黒よりも価格は抑えられますし、変化しにくくツヤ持ちが良いものもあったり、一段と華やかに見えるというメリットもあったりします。
【 グリーン系の石を使ったお墓の写真↓ 】
色々な方法がありますし提案も可能です。お客様と何度も相談を重ねながら形にしていくお手伝いをさせていただきます。お気軽にご相談ください(^^)/
ただ、このコロナウイルス禍のため石の産地インドでなかなか厳しい状態が続いており、原石が以前のように流通していないのが現状で、黒い石が品薄なのが気がかりです。はやく元のように戻ってほしいと願うばかりです。
