伊藤忠太の建築に棲まう動物たち

徒然日記

こんにちは。新潟県小千谷市の高見石材です。11月に入りました。行動や好奇心が活発になる秋になりました。今回は芸術の秋にちなみ、11月生まれの建築家・伊藤忠太について紹介します。

生まれは江戸末期の1867(慶応3)年。明治、大正、昭和にかけ、建築史家、建築家として活躍しました。

ご存知でない方でも、代表作の『築地本願寺』については知っている方も多いのではないでしょうか。日本のお寺の外観とはだいぶ雰囲気の違う、ドームがついた特徴的な外観が印象的なこのお寺は、インドの古式仏教建築を元にした意匠をもち、今でも異彩を放っています。

他にも湯島聖堂、大蔵集古館、一橋大学兼松講堂など、多くの建築物を手掛けています。

その様式は、日本の伝統的建築、西洋風、インド風まで様々ですが共通点をあげると、建物の内外に動物や幻獣たちを棲まわせていること。

忠太は幼いころから妖怪好きで、中国やインドを旅した際にも建物に飾られた幻獣たちに惹かれていたといい、『妖怪研究』という著書があるほどです。

幻獣たちの多くは石造りで、当時の石工が担ったものでしょう。翼のついた獅子といった、不思議な生き物たちが描かれた図面に、石工達はさぞ戸惑ったのではないでしょうか。

彼らが試行錯誤しながら、作り出していく様子が目に浮かびます。伊藤忠太の想像力や石工達の技術力を伝える幻獣たちを、今も間近に見て触れることができるのも、石像ならではの魅力ですね。

 

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