古来より愛された『ススキ』

徒然日記

こんにちは。気づけばすっかり10月末。少しご無沙汰していました。一気に冷え込み、標高の高い山では初冠雪となりました。朝は手がかじかむ寒さです。

全国各地に分布する『ススキ』は、日本人なら知らない人はいないほど身近な植物のひとつですね。古くは万葉集に『ススキ』の和歌が数多く収録され、源氏物語や枕草子などにも描写が出てきます。秋風になびく黄金色のススキの様は秋の訪れをしみじみと感じさせる風情があります。

『ススキ』の語源は諸説ありますが『すくすくと生い茂るさま』を表わすとも、細い意味を表わす『ス』を重ねて、草(キ)がついた物、とも言われています。細長くて華奢なイメージの『ススキ』ですが、痩せ地でもよく育ち、あまり土壌を選ばず頑丈な根を伸ばして育ちます。茎はとても固く丈夫で、山火事の後に一番最初に生えてくるのもススキだそうですよ。

中秋の名月に月見団子と共にお供えするのもススキです。これにも諸説ありますが、稲穂に似たススキを飾って『豊作を願う』という意味があるとされています。また、ススキは神様の依り代と信じられてきたため、魔除けの効果もあると考えられてきたそうです。

ススキといえば茅葺(カヤブキ)屋根の材料としても有名です。茎に多くの油分を含むため耐水性が高く雨に強いので、屋根材として古くから利用されてきました。

生活に根差し、秋の七草の一つとしても万葉の時代より愛されてきた『ススキ』。この秋はぜひいろいろな視点から『ススキ』を愛でてみるのはいかがでしょうか?

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